VOL.5 独りロックフェス 後編
2013.10.14
2013.10.14
「フジテレビでやってるロックフェス」
と勘違いして、アイドル系のフェスに行ってしまった前編。
まあ、私としては、
こちらの方が格段に居心地のいいフェスだったわけですが……
そうは問屋(上の者)がおろしません。
そして翌日……
「ロックフェスなんだから、ロックな格好で行けよ」
家で森田専務が筋トレをしながら放ったひと言により、
ハードロックカフェのマークが入った変な服を着用させられました。
そんなこんなで、
全身にロックな武装をまとっていざ出陣\(^o^)/
新幹線で一路、越後湯沢へ!
そして、あっという間に到着!
今の電車って早いんですね〜
下車して最初に感じたこと、それは……
寒っ!!!
忘れておりました。
ここ越後湯沢といえば……
的な町であることを。
上着? ないです、そんなもん。
「ロックに上着なし」って、森田専務も言ってたし……。
そんなこんなで、
寒気と不安と周囲からの視線で吐きそうになりながら、
バスに揺られ、何とか到着。
ついに〜〜〜
やってきましたフジロック\(^o^)/
チケットを渡し、念願のリストバンドもゲット!
やっとこれで私もフジロッカーの仲間入りです。
これを腕に巻きつけるやいなや……
「Oh! ビッグダディ!」
「カッコイイデスネ!!」
早速、ニッポン大好きな外国人女性3人組に囲まれました。
これはこれでうれしいけど……
今、なんつった?
確かに……
↓
ヒゲ以外、完全に一致wwwwww
気を取り直して、
どんなアーティストが出ているのか、
もらったリストでチェックしましょう。
OK、全然わかんない。
ドリカムとかミスチルとかが出るわけじゃないんですね。
みんな、それぞれ青春時代を過ごした
思い出のアーティストや曲ってあると思うんですが、
中高時代、私はユーロビートを聴いていました。
友人A「この長い~長い下り坂を~君を自転~車の後ろに~乗せて~~」
私「ツクツクツクツクツクツクツクツク………」
友人B「果て〜しな〜い闇の向〜こうに〜〜」
私「ピロリロリ〜ロリ〜〜ピロッピロ〜ピロ〜〜」
そんな感じですからカラオケに行ってもまったくおもしろくなく、
つき合っていた彼女からカラオケに誘われても、100%断っていました。
1回でも行っていれば、
変な広告研究インカレサークルのイケメンに
寝取られることもなかったのかなぁ……
そのまま木陰で自殺しそうになったので、
何かオススメのアーティストを聞こうと、
近くにいた人に話しかけてみました。
「すいません、今日のお目当ては誰ですか?」
「The Cureですね。一応見る順としては、Yo La Tengoから、WILKO JOHNSON、Savagesでしょ、それでMumford & Suns、相対性理論を見てから、できればVampire Weekendを最後の方だけ、それでThe Cureって感じです。あとは体力の続く限りREDMARQUEEで踊ろうかなと思ってます」
……真の独リア充って、
こういう人のことをいうのかもしれません。
じっとしていても寒いだけなので、
勇気とベースを持って進んでみると、
めちゃくちゃ広くて気持ちいい!!
みんなお酒を飲みながら超気持ちよさそうにしています。
そして隣には、大切な仲間とか、家族とか、恋人とか。
ふと思ったのですが、音楽を聴いて踊り出すって行為、
すごくエロくないですか?
ステージに歓声を浴びせながら、
ときおり横の彼を見る彼女の顔の色っぽさったら!
これもう、セックスですよ、セックス!!
大学時代、彼女を学園祭に呼んで案内していたところ、
たまたまステージで彼女の好きなメロコアを演奏しているバンドがいたので
足を止めて一緒に見ていると、彼女が身体を揺らしているではありませんか。
その姿が何かエロかったので思わず嫉妬してしまい、
「だったらずっと聴いてれば?」と声をかけて
独りでカレーを食べに行ってしまったことを思い出しました。
これはつまり「僕のことだけ見てて!!」という
ガキまる出しの行動だったわけですが、
そういうことが積み重なって、
変な広告研究インカレサークルのイケメンに寝取られることになったのだと、
今、強く確信しております。
ちなみにこれは、当時私が嫉妬をする度に
戒めとして繰り返し見ていたメモ。
きっと今なら、踊る彼女の姿を愛おしいと思えるような気がします。
……干支が一周するぐらい遅いけど。
頭がクラクラしてきたので、
少し休憩をしようと川のほとりへ。
遠くで鳴り響く音楽と、川のせせらぎが織りなす絶妙なハーモニー。
子どもたちのはしゃぐ声が最高のアクセントになっています。
「泳ぎたいけど、ベースが濡れちゃうしなぁ……」
なぜ私は弾けもしないベースを持参させられたのか、
真剣にその意味を問い直し始めた、そのとき。
突然の豪雨が!!!!!
一瞬でずぶ濡れになりました。
山の天気と女心は秋の空。
あれ? 何だか違うような気がしますが、
とにかく変わりやすいから気をつけろと
ネットにあれだけ書いてあったのに!!!
そしてさらに冷え込む気温……。
会場で最もロックな薄着をしている私は、
体温が約30度くらいまで低下してまいりました。
そして浮かぶ、おばあちゃんの顔(生きてるけど)。
ヤバい、何か温かいものを食べねば……。
霞む視界の中、飛び込んできた味噌肉うどん!
ホントは横浜家系ラーメンが食べたかったけど、
背に腹は代えられません。
うんまっ!!!!
おかげで死なずに済みました……。
出しっぱなしのハイレグが惨状を物語っております。
さて、そろそろお別れの時間がやってまいりました。
今回、アイドルフェス、フジロックと2日連続参加してみて、
いろいろとわかったことがあります。
・フェスとは、別になくても生きていけるけれど、
なんとなく行かないと、触れないと気が済まないものである。
・フェスとは、誰かに先を越されるのはある程度仕方ないけど、
かといってじっとしているのも落ち着かないところである。
・フェスとは、みんなで自己表現するキモさを共有しているため、
躊躇なく踊ったり叫んだりしても全然OKな場である。
これらが、孤独に苛まれながら私が感じたことでした。
何かこれ、恋みたいじゃないですか!!!
久しくこんな気持ちになっていませんでした。
来年もどこかへ出かけてみようかな。
今度はベースを家に置いて。